都市の運河に、海の家を!

Symposium on Board/水上シンポジウム
「都市の浮動産L.O.B.II-13号、ポスト・トリエンナーレのシナリオ」を開催。

シンポジウムの詳細などは別途WEBサイトに掲載予定ですが、とりいそぎ何点か写真をアップしておきます。
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シンポジウム風景。リゾート会議のよう。

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日も落ちてKAZZさんの音楽がはじまり、師岡貴文さんが鉄の壁に絵を描き始める。もっとも緊張の高まる瞬間。
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僕らは13号を、都市の浮動産と呼んでいる。動かない資産ではなく、水に浮かんで動いていく空間。英語にすると、Real Floating Estate。最近は、地域のコミュニティスペースとして機能する新しい形の海の家があるが、街中の水辺にもそんな場所があっていい。ということで、この日は海の家スタイルでシンポジウムとライブ+ライブペインティングをやってみることになった。ギャラを払って入場料でペイする、つまり企画者と観客をきっちり別けるのではなく、その場をつくる全員が満足度に応じて自由にドネーションすることで、気持ちのいい時間を共有する。都心部の水辺は、規制その他の問題でなかなか「自由」を感じることが難しい場所だが、かといって行政に文句を言うだけでは管理と使用許可の垂直的な枠組みの外には出られない。そこで本質的に大切になるのは、自発と自制とをバランスさせる大人な行動であり、そこで他人と持ち合いながらできていく場の自由さの感覚なのではないか。そんな直感に基づいた企画だったが、これはアリだと実感できた。ライブハウスで急にやろうと思っても無理かもしれないが、移動していく浮動産だったらそういう作法を載せて行ける可能性がある。

Canal Cruising Map 第2弾リリース。

Canal Cruising Mapの、中央区〜千代田区版をリリースしました。
昨年作った品川区〜港区版につづいての第2弾。
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隅田川、神田川、日本橋川、亀島川、朝潮運河など、中央区を中心とした水際の情報をマッピングしている。

流域や海岸線をベースにした地図というのは実は意外に少なくて、あったとしても観光ガイドマップのような物がほとんど。とくに都心部では、人の心理的な地図は陸上の交通ーー鉄道や道路などーーを元に近い遠いを感じていることが多いため、水の側から地形を見直してみると、船で行くと近い場所とか、水路によってつながっている複数の地点とか、あるいはそこに歴史の跡が見えてきたり、いろいろ新鮮な発見がある。そういう意味でこの「Canal Cruising Map」は、情報地図というより、コミュニケーション地図だといえる。実際に、この地図を話のネタにいろんな人と盛り上がることが多くて、そういう会話が楽しくて作ってるような面もある。

今回の中央区〜千代田区の水際を見ると、大川(隅田川)が東京湾に注ぐ河口部に人工的な地形=埋め立て地がどすんと置かれて(この中に佃島も埋め込まれている)、一方右岸には日本橋から皇居にいたる江戸の中心部がひろがる。これだけで、江戸400年の都市史がずいぶん説明できると思うし、また日本橋川を遡って神田川から隅田川に戻るルートは、今でも小型のボートで一周することができるのだが、これを一回経験するだけでずいぶん意識のなかの地図が描き換わるのじゃないかと思う。

で、今後の展開だが、年内を目処に品川版と中央区版のpdfによる配布を検討している。まだもう少し調整は必要だが、自由に書き換えて水際を考えるインフラにしてもらいたいというのが、その意図。だんだんグリーンマップに近い概念になってくるが、そういう言い方をするなら「ブルーマップ・システム」みたいな感じか。これまで調査した以外の地域でもつくっていきたいし、そうした小さな足どりが、徐々に水際のネットワークづくりに役立っていけば。