[講演会] ロンドンの水辺再生 -フローティング・ヴィレッジへの挑戦

井出が通訳として参加します。東京でこのプロジェクトが実現できるか、非常に興味深いテーマです。
ご都合のつく方は是非。
チラシ
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アートと都市づくりを結びつけ、日本とも近年、積極的に交流をしているクリス・ウェインライト氏を招き、
テームズ川の水上に、粘り強く働きかけ、フローティング・ヴィレッジ(アーティストを中心に18世帯)を
実現させた貴重な体験をお話いただきます。東京にとってもおおいに参考になると思います。
皆様、お誘い合わせの上、是非ともお越し下さい。

演題 「ロンドンの水辺再生—フローティング・ヴィレッジへの挑戦」
講師 Chris Wainwright (クリス・ウェインライト)
  ロンドン芸術大学教授/映像アーティスト
  (通訳 井出玄一)
日時 2009年11月11日(水) 18:30 – 21:00
会場 法政大学デザイン工学部 マルチメディアホール
  (新宿区市谷田町2−33 法政大学市ヶ谷田町校舎 JR市ヶ谷駅徒歩5分)
  (法政市ヶ谷校舎ではなく、外濠の向こう側です)
  (申し込み不要、入場無料)
主催 法政大学デザイン工学部建築学科
  法政大学大学院エコ地域デザイン研究所
連絡先 法政大学大学院エコ地域デザイン研究所
  eco-history(@)k.hosei.ac.jp (アドレスの(@)→@に置換してください)


【講演会概要】
日本の水辺・舟運利用研究の第一人者である法政大学陣内研究室+エコ研の公開講座として開催され、学生、研究者、水辺活動のNPO関係者、舟運事業者、港湾局役人などが聴講し活発なディスカッションが行われた。
議題はオランダの運河で稼働していたBARGEを住宅に転用し水上生活(LIFE ON BOARD)を実践されている、ロンドン芸術大学教授 Chris Wainwright(クリス・ウェンライト)がテムズ川のフローティングビレッジをオープンするまでの記録紹介であった。

クリス・ウェンライト氏は2004年にテムズ川エルミタージュ地区の商用利用されていた老朽化した桟橋を民間事業者から購入し、18人の仲間とともに桟橋を設置しなおし、商業利用から住居利用への用途変更を市に申請。数々の近隣住人との調停や法的なハードルを乗り越え、ついに2008年冬に住居+アートスペース+教育施設+ビジター艇桟橋とした公共性の高い施設として、前例のないフローティング・ヴィレッジ Hermitage Community Moorings をオープンさせた。
ロンドンでも陸と繋がっている桟橋は水面管轄と陸上管轄の2つの法規制にまたがっており商業利用から住居利用への用途変更には、それぞれの法規制をクリアする必要があった。水面管轄官庁は比較的好意的な理解を示し、約1年で許可が下りた。しかし、陸側官庁は前例のない試みに対して懐疑的で全く理解を示そうとしなかった。また、ロンドンでは新しい開発について、近隣住人により組織されたコミッティーへのヒアリングが義務としてあり、その結果近隣の超高額マンション住人からの反対意見が上がった。それを理由に市は桟橋の住居利用を却下したが、クリス側が法的根拠が曖昧な市の却下に対する異議申し立てを行い裁判となった。その後の協議でテムズ川の歴史を垣間見れる施設とすることや、子供の教育プログラムを組み入れること、海外からのビジター艇を受け入れる桟橋を設置することなどを施設に取り入れ公共性を高めることで、結果的に近隣コミッティーの反対は法的に有効性が認められず、2005年の申請から4年の歳月をかけ2008年に市の許可が得られた。今では、反対派であった近隣住人も遊びに来るようになり、ビジター艇も多数訪れる公共性の高いヴィレッジとなっている。

【その後の会場からの質疑応答(抜粋)】
・反対派近隣住人とどのように折衝していったのか?
→川の景観を壊してしまうというのが反対意見の主旨であったが法的根拠の乏しい意見であったため、裁判にて法的に戦い勝利した。その他、住人や学校の生徒、昔の港湾事業者に直接会ってプロジェクトの説明をして廻りビジネスのための施設ではなく、公益性の高い反資本主義的施設(笑)であることを理解いただいた。

・排水の問題はどう処理されているのか?
 →船からポンツーンに繋ぎ、橋の下をパイプが走り、陸上の下水に繋がっている。

・水上生活を実践することにどのような意義があるのか?
 →ロンドンの住宅事情も高価であまり良い環境とは言えない。都市からちょっと距離を置いた位置に住むことに関心がある。水面住居というのは都市の中心でありながら、適切な距離を保てる特異なポジションである。そのような特殊性が巨大都市では住人同士孤立してしまう傾向があるが、水上施設では陸上ではありえない濃密なコミュニケーションが得やすい傾向にある。そのようなクリエイティブなコミュニティーを水辺に創っていくことが都市の活性化に繋がると思う。
ロンドンでも市民の川への誤解が多い、都市は水辺なくして成立しなかったことを説明してゆく必要がある。
 
2.5hの講演であったが、前例の無い構想をを具体化したプロジェクトであるため、他にもリアルな質疑が次々にだされ、議論がディテールに及んだ白熱したレクチャーであった。(yamazaki)



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