満月船

トリエンナーレも、残すところあと3日。申請書を出して、撮影のために一晩13号で過ごすことに。特に夜明けごろの写真を撮りたいと思ったのもあるが、なにより今晩はほぼ満月だ。もともと、このプロジェクトの企画を考えている際に、満月の夜にこの艀を沖合に浮かべ、潮に揺られながらみんなで月を見る、というイメージを持っていた。潮の満ち干きは月の作用が大きく、だから陸上のリズムとは違うものに寄り添う空間として、なんだか意識が月に向かっていたのだ。だけど、その後いろいろ艀の運用面を深く知るにつれ、人を乗せて移動させることが相当に難しそうであるのと、しかもそれを夜間に実施するとなると常識的にほぼありえないことがわかってきて、具体化するには至らなかった。市役所や事務局、はしけ組合の方々には本当にお世話になってきたし、次第に事情に精通してくると、なんでもかんでも交渉してみればいいというものでもなくなってくる。そんなわけで、みんなで月を見るという企画は棚上げにしてきたのだが、せっかくだから記録撮影は満月の晩にしようということで。

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2000時、会場に到着。まだぱらぱらと来場者が訪れる。最近忙しかった藤田さんも、久しぶりに顔を出す。

21時、会場はクローズ。
極めて寒いが、風はないのであまりしんどくはない。デッキでぼんやり月を眺めているのも、それほど苦痛ではないほど。月は、徐々に高くなる。やたらに穏やかな夜。撮影以外は、取り立てて何もしなくても良い時間。この3ヶ月、なんだかんだと慌ただしくしていて、こんなにぼーっとすることもなかった。二人でソファに寝っころがっていると、水の音だけでなく、遠くから人の声など、いろいろなものが聞こえてくる。
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ちなみに、こんなところで作業。目の前にマリンタワーが揺れて、オフィスとしても悪くない。
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2230時、ちょっと前まで行き来していた屋形船もいなくなり、海上はだんだん静かになってくる。少し風があがってきたようだ。2300時、マリンタワーの灯りが消える。
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2330時、月はほとんど真上まで上がってきた。PCに向かう机の上はビニールハウスなので、頭の延長線上に月がある感じ。トリの間から、月が見える。
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0000時。風が強くなっている訳でもないのに、なぜかうねりが上がってきた。いつのまにか、山下公園に打ち寄せる波の音が途切れなく聞こえるようになっている。しかも、完全に潮は干ききっていて、ビニールハウスの中程くらいまで地上レベルがあがっている。目の前の岸壁が迫る。
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0130時、トイレのために厚生センターに寄るとスタッフの方々がまだ作業中。
13号に戻ると、うねりもだいぶ収まっていて、沖合からカモメが羽をばたつかせる音が聞こえる。だんだん潮位も上がってきた。月は、マリンタワーを過ぎて西へ。鉄の箱に張った水にも、映り込む。
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0350時。さすがに静か。夜明けに向けて、少し休む。時折、ゴミを回収する作業車の音を遠くに聞く。写真を撮りに陸にあがると、黒猫が逃げて行く。うー、さぶー。相変わらず雲ひとつなく、快晴。
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0530時、空が少しずつ明るくなる。
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東の空。
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0644時、日の出。
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0700時すぎには、ランドマークタワーに日があたりはじめる。
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0730時には、13号にも朝日が差し込む。
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月はランドマークタワーのたもとに沈み、月を追いかけた一晩はとりあえず終了。



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